2014/06/28

すごいぞ!パスカル…葦は「あし」とも「よし」とも

島原鉄道の定時株主総会に監査役として出席してきた。厳しい決算内容や人事の件は別項にゆずるとして、この前、日経新聞の一面コラム欄が島鉄にも通じる(?)面白い記事を書いていた。

それによると、世界で初めて「乗合馬車」という形で公共交通事業を思いついたのは、17世紀フランスの科学者にして哲学者だった天才!パスカルだったというのだ。

パスカルと言えば、「人間は考える葦(あし)である」という、かの有名な言葉がすぐ浮かんでくるが、その意図するところは「自分の弱さを知っている人間は宇宙よりも尊い」ということだ。

39歳の若さで没したパスカルがある時、思いついたのが乗合システム。それまで貴族階級が独占していた馬車という乗り物を、一般市民に〝有料〟で開放したのである。

そのアイデアは大当たりして、パリの定期路線には多くの市民が殺到した、という。これが今で言う「乗合バス」の〝原形〟だそうだ。

同コラム子はその由来を枕に、外国からの訪問客で観光バスや運転士の数が不足している日本の現状と問題点を無駄のない筆致で紹介している。

筆者自身はその記事に書かれていたことを頭の中で反すうしながら、本田哲士社長や他の取締役の皆さんが懸命に知恵をしぼって会場からの質問に応えられている姿を遠目に見守っていた。

印象を言えば、本田社長らはまさに「考える人」であった。ただし、それらは決して〝演技〟であってはならない!これからの島鉄に求められるのは「考える人」転じて、「行動する人」である。

総会では、今後の「活性化策」について具体的なプランの提示が数多くなされ、実現性の高い、ユニークな発想も幾つかあったように思う。是非、前向きに進めていただきたいものだ。

最後に駄洒落めくが、パスカルの言葉をもじっていうなら、「島鉄は地域にとって欠かせない『貴重な足』である」。願わくば一日も早く、「葦」(あし)が「葦」(よし)と読めますように!